秋の御彼岸に伝えたい言葉

 心を込めて祈った旧盂蘭盆会を無事に納め、厳しい暑さが連日続いたまま九月を迎えました。春から初秋まで、けじめのない酷暑が続いている様に感じます。

 本来、日本には四季があり、折々の風情や花の美しさを楽しんで来たものですが、ここしばらくは気象に翻弄されている様な日々であります。どなたもいささかの体調不良は感じている様に思います。しかし、自分の健康は自分で調えねば仕方ありません。二・三年前から夏の暑さを凌ぐ為の電気機器が売り出され、首に巻いたり着込んだり、小さな扇風機だったり、便利な物も多く、業者の知恵の多用さに驚きますが、自分でも色々考えて費用のかからない様なものがあったら、などと思います。水分の摂り方とかお風呂に入浴する時とか、食事の種類とか、学者達も色々提言をしてくれますから、参考にして自分の身体の為に少し頭を使ってみましょう。

 さて、医学の急速な進歩もあり、罹患すれば助からないと云われた様な癌とか血液の病気等も随分治療効果が出る様になりました。病の分野は広く、まだ全てとは申せませんが有り難い事であります。病気に罹って仕舞った方の安心な治療の為に、周りの縁者も知人も心を砕き励ますのは当然でありますが、看病への思いの行き届き過ぎには気を配りましょう。優しい声がけも闘病者の負担になる事もありますから、状況をしっかり見詰めたいと思います。

異なる話題として、「流行」と云うものがあります。パリコレクションの様な大々的なものではなく、日常の服装も時代の変化と共に男性のカラフルなスタイルに、また女性のエレガントな長いワンピースなど、随分変ったと思います。何十年か前に、こんな流行があった様に思いますが、感性の豊かな方達がおしゃれをして活き活きなさっているのは良いものであります。スマホやパスモは、既に流行の域を脱し、身体の一部の様になっていますが、これからどう進んで行くのか楽しみでもあり、怖れも感じます。

さて、一年毎に記憶は衰えると学者達は申しますが、理論としてはあり得る事でも、自分の努力と様々の知恵で逆らって、頭脳を確かに調えて行きましょう。現在高齢者の方達は時代柄、医学や薬学、化学の知識に深く関わる機会が少なかったと思います。ビタミンの種類などは、現代でも中々理解が出来ておりませんが、そんな教育にも恵まれて来た現代の世界をどんどん吸収し、自分を守り、知識の豊富な賢い人間に、そして豊かな感性を持った、情のある自分に育てて行きたいと思います。人間は強くもあり、大変弱い面を併せて持っているものであります。災禍にも、人間は負けませんでした。

 九月の秋彼岸は、血の繋がりのある方達への言葉をお伝えする時であります。自分がお会いした事のある人達、親兄弟、祖父母、そして一度もお目にかかった事のない御先祖様、自分が受け継いでいる血筋の方達に、しっかり思いをお伝え致したいと思います。お互いが励まし励まされる礼節と親愛の情であります。

 ここ数年、気象や地層は穏やかではありませんでしたが、この際自分を取り戻し、足許を治めて行きたいと思います。令和六年は、その様な年の始まりと思っております。

 台風、大雨、雷、自然は次々と厳しい試練を与えますが、助け合い、心強く歩いて行きたいと思います。まずは、自分の健康を維持し、元気に明るい日常を心がけて行きましょう。

それに加え、感性の豊かな人は魅力があります。自分が深い人間性の持ち主になる為に視野をひろげてみましょう。沢山のものを見、沢山のお話が出来たら素晴らしいと思います。